サイクルチャレンジ2017 in 競輪場(松山市委託事業)

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

 

身体障がい者の方々にも体験の幅をひろげた内容に

平成29年6月4日(日) 愛媛県松山市市坪西町796-6 松山中央公園 瀬戸風バンク中央フィールド


2014年から始めたサイクルチャレンジin競輪場。松山市の委託事業としての取り組み2年目。
NONちゃん倶楽部の企画は始めた当初、タンデム自転車の特性上、視覚障がい者の方を中心にイベントを行っていました。しかし近年は身体に障がいがある方の参加希望が多いのに驚いています。今回のイベントも身体障がい者の応募が多く、今までのNONちゃん倶楽部の体制だけでは不十分だと感じました。そこでチームタンデムの関係者に相談したところ、大阪市立大学の吉田准教授から身体障がいの方でも乗ることのできる特殊タンデム自転車を2台お借りすることができました。
さらに身体障がい者の方に対応するために車いすを丸ごと乗せて走ることのできる三輪オートバイの「ハンドバイク」を持っているという安藤様から車両提供をいただけるという連絡が入りました。しかし西条市から松山市開催会場まで50キロ近くもあり、その搬送に困りました。その時、松山市の(株)愛亀の西山社長様が搬送を引き受けてくださり、当日無事にハンドバイクが会場に揃うことになりました。

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

NHKの取材も入る開会式

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

競輪選手のみなさんのご挨拶

そして昨年からご協力いただいているハンドサイクルの方々のお蔭で多くの身体障がい者の方にも試乗会を体験していただくことができました。この開催に向けて(株)タロー様からロードタイプのタンデム自転車のご寄付もいただきました。このような奇跡的な内容で開催出来た事をみなさまに本当に感謝しております。
競輪コースの体験走行ではパイロットをしていただいている競輪選手の宇根さんから「代表として、やまおろし走行(競輪コースのバンクを上から下に駆け下りること)を体験すべきでしょう。」と提案されました。そこでNONちゃん倶楽部代表の津賀は勇気を出してチャレンジしてみました。「怖かった〜!!」という感覚と同時に、日頃選手の方々の命を懸けたレース展開がどれほどのものかを体感することができました。
ボランティアの方々の知恵と工夫で数々の奇跡体験が生まれました。競輪場に咲いた248名の笑顔の花がタマラナイ!!

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

ハンドサイクルで身体障がい者の方も体験することができました

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

安藤様よりハンドバイクを提供いただき、体験乗車が叶いました


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参加者の声●〜〜〜〜

 

身体 寄能 悠希 さん

 自分の中で印象に残ったのは、テレビやWEB動画で車いすバイクの事を知ってて実際に乗ることができたことです。サイクルチャレンジに参加して実際に運転できて楽しかったです。いい体験が出来たのでよかったです。

 

身体● 安田 敬紘 さん

  松山競輪場での貴重な車いす体験ができ、車いすを漕ぐしんどさを知りました。こういうイベントがないと出来なかったと思います。また自分自身も鍛錬の少なさを痛感しました。若い競輪選手が「自分が目指す道とサイクルチャレンジ2017で出会った障がい者との交流をきっかけに見えないものが見えた。」と言われました。自転車繋がりというものは、素晴らしいと思いました。どんどん津賀さんのイベントに参加させてもらい、いろいろな方と出会いたいと思います。

 

ハンドサイクル● 池田 斉 さん

 1年振りのサイクルチャレンジに参加させていただいてありがとうございました。 今年は天候もよく、暑いくらいでしたね!!参加者は昨年よりも多いように感じました。ハンドサイクルの体験では、沢山の方に体験してもらってありがたかったです。中でも松井望央(みひろ)ちゃんは女の子で下肢障がいにもかかわらず元気でパワフルで、バンクを3~4周走って帰ってきたのでビックリしました。スピードも速かったし、いずれはいろんな大会に出て活躍するのではないかと思いました。続いては視覚障がいの鹿児島から参加の外園さんです。目が見えないにもかかわらず、スタッフの合図で2週ほど走られたと思います。自分だったら目の前が真っ暗だったら不安でチャレンジできないと思いました。最後に頸髄損傷の佐伯さんでした。僕たちより重度障がいで四肢麻痺にもかかわらず、スタッフにハンドサイクルに乗せてもらいました。最初は手も不自由なので、ハンドルを握ることができないので無理かと思っていました。ところがスタッフに手をマジックベルトでハンドルに巻き付けてもらって、微かに動かせる腕をまわしながらバンクを1周しました。何度もハンドルから手が離れても、スタッフと佐伯さんの諦めない精神に感動しました。今回は皆さんの前向きなチャレンジ精神に、僕たちも励まされたような思いがしました。この様な貴重なイベントに参加させていただいて、スタッフの皆さんと津賀さんに感謝です。

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

急斜面のバンク、カント体験

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017競輪場

苅田拓也君から絵とメッセージ

学生ボランティア● 加藤 弓恵 さん 

  NONちゃん倶楽部のイベントに参加するたびに、私が元気をもらっているような気がします。以前モンチッチ海岸でのイベントの際に一緒だった方々がたくさんいらっしゃって、みなさん私のことを覚えてくださっていたことが本当にうれしかったです。そして、これまでにあった出来事のお話や一緒に歌を歌ったり、タンデム自転車に乗ったりしました。みなさんの生き生きとした顔がみられるだけで、なぜか私は本当に幸せな気持ちになることができました。さらに、親御さんともお話をする機会が多くあり貴重なお話をたくさん聞くこともできました。親御さんたちに共通していえることは本当にいつ見ても明るく、こどもの障がいを障がいと全く思っていないということです。ある時は障がいがあるということを忘れて接する時もあるというほどでした。障がいを一つの個性だと認めまた障がいがあるからこそ、こんなことやあんなこともできるという風にプラスのイメージを前面に出しているということが大変印象深かったです。私は普段大学で特別支援教育について勉強をしていますが、座学だけではいけないということをひしひしと感じました。百聞は一見に如かずという言葉もあるように、自分の目で見て面と向かってかかわらないと本当の意味で特別支援教育は成り立たないのであると強く感じました。今回のイベントでも素敵な出会いがたくさんありました。この出会いに感謝して、これからの活動にも積極的に参加していきたいと思います。またみなさんの笑顔がみられることが楽しみです。 ありがとうございました。

 

大阪・学生ボランティア● 立野 勝真 さん

   私は今回初めてこのようなイベントに参加させていただき、障害者の方と交流することができました。これまでは障害者の方についての一般的な情報は持っていたものの、自分から積極的に交流したり、イベントに飛び込んでいくなどということをせずに生きてきました。当然、普段の生活で障害者について考えることもほとんどなかったわけですが、今回のイベントへの参加を通して、自分がこれまで持つことのできていなかった新たな視点というものを得ることができたように思えます。普段何気なく登下校している家から大学までのルートの中に障害者の方のためのバリアフリーなどの様々な工夫がちりばめられていることに、最近になって改めて気づきました。それと同時に、今までこれらのものが見えていなかったことにも気づきました。 また、このイベントを通し、人の持つエネルギーの強さを身をもって実感しました。NONちゃん倶楽部の方々やサポートをされていたボランティアの方々の、イベントを成功させようという想いや障がい者の方に自転車に乗って楽しんでもらおうという熱い想いというのが、ひしひしと伝わってきて、皆さんのエネルギーの強さに圧倒されました。そして、障害者の方々も自分から積極的にタンデム自転車にまたがり、パイロットの方々を休ませる間もなく自転車を乗り回している風景を見て、心から自転車に乗ることを楽しんでいるのだと分かり、健常者も障害者も持っているエネルギーの強さは全く変わらないのだと実感しました。イベントが開催された6月4日は天気も良く暑い日となっていましたが、会場にいらっしゃった人々の放出するエネルギーで、より会場の温度が上がっていたと感じました。改めて、今回このイベントにボランティアとして参加させていただき、大変貴重な体験をさせていただきました。