国際交通安全学会 in 愛媛県運転免許センター(1日目)
様々な自転車に触れて感じた障がい者にとっての未来の可能性。
平成29年11月25日(土) 愛媛県松山市勝岡町1163-7
国際交通安全学会が本年度11月の2日間、愛媛県で行われました。愛媛県で行われること自体も驚きましたが、特別共催としてNONちゃん倶楽部を選んでいただいたことに本当に驚きました。
この公益財団法人国際交通安全学会は交通や安全に関してのいろいろな問題を、人・機械・環境など、それぞれを結びつけた観点から調査研究し理想的な交通社会の実現や教育に結びつけていくという活動をしています。今回の事業は3カ年プロジェクトの3年目。1年目は自転車の障がい者へのモビリティー教育海外視察。2年目は海外の幼児向け自転車教育の実践。そして3年目にこの愛媛県で行われた事業は、障がいのある子供への自転車教育プログラムの実践や検証でした。
普段から障がい者の方々への自転車を通じたイベント活動をし、このパンフレットを毎年発行し全国へと配布していた。そんなご縁でこの大きな流れに出会い、実現できたことをみなさんに感謝します。
1日目は愛媛県運転免許センターのコースを使い、実際に障がい者・健常者の方々と一緒に自転車に乗り実地検証するというもの。対象となる障がい者の方は20歳未満という条件でした。NONちゃん倶楽部では、この条件の方は10名ほど。対象者が少ないと困っているとCoパイロットで参加してくださっている西条市の渡部颯人君と松山市の鴻上莉奈ちゃんのお母様がPTAのみなさまに声をかけてくださり20歳未満の障がい者のみなさんに集まっていただくことができました。障がい者の方は、視覚6名・身体4名・知的8名・ダウン3名で合計21名の方々。
▲「トンネル」 屈んで障害物を回避 |
▲「キャノンボール」 止まってボールを避ける練習 |
今回の事業では様々な障がいの方がいろいろなタイプの自転車に乗り、その走行状態や様子を確認し将来利用の可能性を体験するというもの。乗車体験には発進・停止という基本的なものからスラロームという技術の必要なものまで。様々な障がいの方に乗車体験していただきました。そして今回NONちゃん倶楽部では初めて自転車ゲームを実践してみました。このゲームは、「大阪でタンデム自転車を楽しむ会」の藤江さんにご協力をいただき、ゲームを交えたプログラムを企画していただきました。初めての取り組みにチャレンジでしたが、本当にみなさん夢中になり盛り上がりました。
そして国際交通安全学会世界大会ということでオランダとイギリスからも講師に参加していただきましたが、車いす自転車や特殊な三輪自転車など非常に興味を持って見ていただきました。
今回はいろいろな驚きがありました。いつもタンデム自転車のCoパイロットで参加している石丸翔(かける)くん(視覚)が一人で自転車に乗り、スタッフの出す音を頼りに前進することができました。また今回オランダから参加のMr.ベリーさん(視覚)が子供の参加者を追っかけて走る姿に感動しました。
▲ハンドサイクルで漕ぐ・止まる・ギア・操舵を体験 |
▲石灰で焼く灰屋イモ、美味しい! |
そしていよいよ場内での乗車体験も終わった時に振る舞われた「灰屋イモ(石灰に水をかけることで発熱させて焼く芋)」。乗車体験が始まる前に石灰の中にサツマイモを埋め込み水を掛けて発熱させておきました。これは日本でも珍しい、愛媛県西予市明浜町の焼き方。イベントが終わるころには熱くて手に持てないほどの焼き具合で参加者全員不思議そうに見ながらも美味しくいただきました。
今回の事業イベントでNONちゃん倶楽部が今までに見たことのない様々なタイプの自転車が開発されていることを知って、障がい者への可能性や未来に大きな夢を抱くことができました。
〜〜〜〜●参加者の声●〜〜〜〜
Coパイロット家族( 薦田光平さんのお母さん ) 本人の中で「自転車に乗りに行く」ということ以外よく分からないまま参加させていただきました。不安も多く最初の受け付けの時点でもう「早く帰りたい」状態でした。ところが、その後すぐに担当の佐々木さんが来て挨拶をして下さりずっと一緒にいて下さいました。母と離れたこと(甘えてしまう)、頼りになる方が側にいることで安定し活動に参加することができました。自転車に乗ることは大好きなので活動中は笑顔も見られ楽しんで終えることができました。こだわりが強いので休みの日に行ける所も限定され、なかなか新しい活動に参加するのが難しい子でした。しかし今回の参加や体験を本当に嬉しく思っています。ありがとうございました。 |
▲流鏑馬(やぶさめ)2人の息を合わせパイロンを的に輪投げる |
▲足で蹴って距離を競う。両足を浮かせてバランスをとる練習 |
Coパイロット家族( 竹本 岳さんのお母さん ) 参加させていただいた息子の父親と三人の兄は、マウンテンバイクの大会に出場していて自転車は身近な乗り物です。岳も自転車が好きなのですが、安全に運転すること・シフトチェンジすること・交通ルールを守ることなど難しい課題がいっぱいあります。主人と私と岳の三人でサイクリングすることもありますが、頻繁には出来ません。自転車に乗る回数を増やせば、少しずつ体得できることもあるかな…と期待しているところです。今回のようなイベントでは、大勢で楽しく自転車に乗ることができます。何より指導して下さる方の話が、すんなり耳に入ってくるようでした。また次の機会がありましたら、是非参加したいと思っています。 |
Coパイロット家族( 鴻上莉奈さんのお母さん ) 小さい頃に自転車の練習をしたものの身体のバランスをとるのが苦手な莉奈。補助輪をつけていても左右に少しゆらゆらしただけで凄く怖がっていたことを思い出しました。今回の自転車教室で、一人でペダル無し自転車にまたがり練習してみました。かなり時間はかかるかもしれませんが、諦めずにチャレンジしなければという気持ちになりました。大阪市立大学の先生方・海外からのゲストの皆様・いつもイベントを支えて下さるスタッフの皆さん、明浜から駆け付けて美味しい焼き芋を作って下さった方々皆様のお陰で、自転車に乗りたくさんの笑顔あふれる時間を共に過ごせ、とても幸せな気持ちになりました誠にありがとうございました。最後になりましたが、今後障がいのある子供達が自転車を楽しむ環境が整っていく事を願っています。 |