国際交通安全学会 in 松山コミュニティセンター第二会議室(2日目)

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017国際交通安全2

 

こどもの発達に応じた自転車教育のオランダとイギリスのレポートを聞く

平成29年11月26日(日) 愛媛県松山市湊町7丁目5


国際交通安全学会の2日目。「発達」をキーワードにその段階・程度・適応に応じた自転車教育のあり方」について各国における取り組みの現状を座学にてレポートを聞く機会を得ました。オランダとイギリスの障がいを問わず自転車によるモビリティ向上の運営方法などがその内容です。モビリティ向上可能性のために経済的な壁をうまくクリアする考え方の、日本と他国の違いがありました。しかしまだ日本ではやっていない手法なのかもしれないことを感じました。これからのNONちゃん倶楽部でも各国の方法を可能な限り試していければと感じました。

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017国際交通安全2

 

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017国際交通安全2

イギリスPola Berentさん講演

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オランダBerry den Brinkerさんの講演

吉田長裕准教授(大阪市立大学工学研究科)

ここ数年、国内外において自転車交通政策について学ぶ機会がありました。そこで感じたのは、自転車は誰もが乗れる重要な交通手段になりうることを信じて活動されている方々との出会いでした。その多くは、様々な困難に直面しながらも、知識や経験に基づいて取り組んでおられました。このような活動をもっと支援できないか、また具体的にはどうやって実施すべきなのか、そんなことを考えながら活動に取り組むことにしました。国際交通安全学会のプロジェクトは、1年目に自転車教育・障がい者へのモビリティ教育に関する海外視察。2年目はデンマーク式幼児向け自転車教育の実践と海外事例の理解。3年目である本年は自転車教育プログラムの障がい児への展開という流れで進めてきました。こどもの発達段階・障がい種別に応じて、実技系のプログラム内容を少しずつ充実してきました。まだ、足りない部分も多々ありますが、今後は、こういったプログラムを全国各地で実践できるように「実施ガイドライン」を作成したいと考えています。

 

 

藤江徹(大阪でタンデム自転車を楽しむ会)

子どもの発達に応じた自転車教育 (国際ワークショップ)

2日間に渡って開催された国際交通安全学会。2日目に松山コミュニティセンターにて開催された「こどもの発達に応じた自転車教育」についてのセミナー。日本からのプレゼンは「愛媛県の自転車新文化の取組み」「NONちゃん倶楽部」「CVJ(サイクル・ボランティア・ジャパン)」「大阪でタンデム自転車を楽しむ会での障がい者サイクリングの取組み」が報告されました。海外からは3名のゲストから報告いただき、意見交換をしました。オランダから出席したディベラさん(Divera Twisk)は、オランダの自転車文化と交通教育・子どもの発達に合わせた自転車のトレーニングについての報告をされました。同じくオランダから参加されたベリーさん(Berry den Brinker)は元々、自転車競技選手。現在は視力0.03となりましたが、自転車に乗っておられます。報告では自らの経験について語るとともに、様々な工夫によって弱視でも自転車利用が可能であること、リスクや新たなアプローチについてお話しくださいました。ポーラさん(Pola Berent)は、英国におけるインクルーシブサイクリングの実施状況について、理念や訓練プログラム・自転車インストラクター制度・障がい者のサイクリングを支援する団体(Wheels for Wellbeing)の活動などを紹介くださいました。

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ディベラさん(オランダ)からの報告

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英国のインクルーシブサイクリング 

最後はパネリストを中心に意見交換を行いました。私が印象に残っている言葉は「誰でも条件が整えば安全にサイクリングができる。」 「外を一人で走る練習には、親が子どもと一緒に走ってみて問題があればその都度教えて自信をもたせること。」 「まずは障がいに対する理解を深めることが必要。」 「習うより慣れろ。トレーニングが大事。」 「できるかどうかは本人が判断すべき。周りが線を引かないこと。」などでした。障がいへの理解とトレーニング、障害に応じた自転車とインフラを整えることで様々な可能性が広がっていくことを学ぶ機会となりました。

 

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017国際交通安全2

興味津々で話を聞く参加者

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弱視のベリーさんも試乗 (1日目)