タンデム と水上バイクを楽しむ in モンチッチ海岸( 愛媛県「三浦保」愛基金 )

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2017もんちっち海岸

酷暑の夏を乗り越えて、海に生きる喜びを感じる1日

平成30年8月5日(日) 愛媛県松山市立岩川河口 モンチッチ海岸


この年の夏、愛媛県は豪雨災害に加え酷暑という厳しい災害や自然環境下にありました。連日熱中症で死者まで出ているという状況。積極的に声掛けするのを控える中、平成30年8月5日(日)に松山市北条にある通称モンチッチ海岸でのイベントを開催することができました。視覚14名・知的7名・家族28名・一般16名・ボランティア44名・ジェットプロジェクト25名で、合計134名の参加がありました。この中には、県外(鹿児島・広島・島根・大阪)から12名の参加がありました。  今回は15台のタンデム自転車とガイドライダー2名で、松山市中心市街地にあるNONちゃん俱楽部からモンチッチ海岸までの片道20km往復走行します。6人の視覚障がい者と共に松山市街地から北条地区までの国道196号線を走行していきます。  午前中は立岩川に沿ったコースを往復8kmサイクリング。午後からマリンレジャー。しかし先日の豪雨の影響で、海にゴミが大量に流出。さらには風もあり波が高く、水上バイクやボートを運営していただくジェットプロジェクトのボランティアの方々には非常に気をつかわせたと思います。そのような状況でしたが、ビスケットやパワーボート・水上バイクを満喫する事が出来た事に感謝です。

 

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸
松山市街地から20kmかけてビーチに到着!
タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸
立岩川河口〜上流へ往復8kmのサイクリング

この年の初めに導入したNONちゃん俱楽部のビーチスター(水陸両用)を海で初お披露目しました。ビーチスターに乗って海に浮かんでいると、何とも言えず心地良く、波に揺られてお昼寝してしまいそうなくらい最高に気持ち良かったです!!  小腹が空いたところで、恒例の胃袋つかみ隊の登場です。釜炊きご飯でのおにぎりはあっという間に完食。

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸

水上バイクに牽引されるビスケットで絶叫

最後にこれまた恒例となった「スイカ割り」をして、子供達の満面の笑みで締めくくることが出来ました。熱中症対策として「シソジュース」「梅ジュース」「メグスリの木茶」を準備。定番となった湯川さん(胃袋つかみ隊)のお漬物で塩分補給など、素晴らしいチームワークに感謝です!!

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸

水陸両用車ビーチスター進水!

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸

海イベントの最後はやはりスイカ割り!

夏休みに「こども新聞グランプリ」に応募したいから取材をさせて欲しいとパイロットの子供さんから申し出がありました。事務所からCoパイロットとしてタンデム自転車走行を体験していただいたり、視覚障がいの方にもインタビューなどをしていただきました。どんな作品になるのか楽しみです。

 

〜〜〜〜●参加者の声●〜〜〜〜

 

Coパイロット( 渡辺 克彦 さん ・視覚

「二つの体験」

今年もまた「タンデム自転車と水上バイクを楽しむinモンチッチ海岸」に参加させていただきました。毎年、このイベントは特に楽しみにしています。今回は、西日本豪雨の後の異常な猛暑続きで、はたして体力を保つことができるか心配があったのは事実です。海岸に着くと津賀さんの元気な声に迎えられました。その声を聞いた途端、心配はどこへやらです。 今回は二つの初体験をさせてもらいましたので、それについて感想を書いてみようと思います。 まず、車椅子自転車です。これはパイロットの前に車椅子がついているので、全身に風を受ける事ができて最高に気持ち良く感じました。しかし、暑さの中一人でペダルを踏んでくださっているパイロットさんに大変申し訳なくもありがたく思いました。 二つ目は水陸両用の車いす(ビーチスター)を初体験させてもらいました。以前、これを初めて見た時から大変興味深く思っていました。これに乗るとまず、肩と足をベルトで固定されました。「行きますよ」スタッフの山下さんに砂浜を後ろから押してもらいました。浜辺から海に入ると波が私を迎えてくれる感じでした。足から腹へと海水につかると最初は冷たく感じましたが、すぐに慣れてきました。「体の力を抜いて頭を後ろに倒して」と言われ、そのようにすると車椅子に乗っている感覚はなくなり、海に浮かんでいるような心持ちでした。「気持ちいいやろ?ビールでも飲みたくなるやろ?」と冗談を言われましたが、ビールを飲んでいるよりはるかに気持ち良く感じました。全身で海の感触を味わいながら、身体に障がいがあって海に入れない人にぜひ体験させてあげたい。喜びはひとしおだろう、そんな人が一人でも多く体験できるといいなあと思いを馳せてしまいました。 今回は異常な猛暑の中、津賀さんはじめスタッフやパイロット、そしてボランティアのみなさん、本当にお疲れ様でした。私はタンデム自転車のイベントに参加する事が生き甲斐になっています。できるだけパイロットにかける負担を少なくするよう、足腰を鍛えて体力を保持していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

Coパイロット( 東広島市 藤川 レイ子さん・網膜色素変性症 )

  8月5日、モンチッチ海岸でのイベントに参加させていただき、たくさんの感動をありがとうございました。私は網膜色素変性症で全盲ですが、2年位前からタンデム自転車という言葉を時々耳にするようになりました。目が見えなくても、前に見える人が乗り、後ろに見えない人が乗って一緒に走ってもらえる自転車だということがわかりました。それからは、私でももう一度風を感じながら走ってみたいとずっと思っていたんです。そんな中、福山市の吹抜さんからNONちゃん倶楽部の事を聞きました。すぐに津賀さんに連絡をさせていただき、今回のイベントに参加させていただくことになりました。午前中のタンデム自転車は3人乗り。パイロットさんの後ろに私、私の後ろに妹が乗って、あれよあれよというまに出発しました。最初は正直怖かったです。でも、走っていることを自覚したとき、私は自然と涙が流れていたんです。だんだんと乗っている感覚に慣れハンドルを握る手の硬さも取れてきました。それからは、まわりの風景の事やお尻が痛いね、などと軽口もでるようになりました。何よりも私たち二人で100キロ強を乗せて力強くペダルをこいでくださったパイロットさんに感謝です。止まります・曲がります・横断歩道ですなどきちんと落ち着いた声で伝えていただき、とても安心して一緒にペダルをこぐことができました。8キロを約40分くらい、海風を心地よく受け颯爽と走らせていただきました。お陰様で、私は今年の目標をもう達成してしまいました(苦笑)。到着してからの「しそジュース」はとてもおいしかったです。お昼のお弁当は食べきれないくらいのごちそうでした。お漬物まで配っていただき、私はキュウリとミョウガが特別においしかったです。ごちそうさまでした。午後はいよいよ水上バイクです。水上バイクなんて、目が見えていても私にはきっと縁のないスポーツだったはずです。こちらは私にとってタンデム自転車以上の衝撃体験でした。今でも海の上を30キロものスピードで走ってもらったなんて夢の中の出来事だったのでは?と思うくらいです。もっとスピードを上げられ、右に左に傾いたときはさすがに声もでないくらい怖かったです。目が見えなくなり70歳を過ぎてからこんな体験ができるなんて、誰でもはできないよなあと少しだけ得をした気分になりました。バイクのあと、ボートとビスケットなるものにも乗せてもらいました。これがまた恐かったです。身体全体がピョンピョンはねて飛び出すかと思いました。でもキャーキャー叫びすごく楽しかったです。総勢134人の参加ということでしたが、開会式から一貫して感じられたのは津賀さんを中心にした一体感でした。不思議なくらいの空気です。津賀さんの一言でみんなの背筋がピンと伸びる感じでした。これは津賀さんが持っておられる思いや気持ちが空気となり、自然とまわりに伝わっているのでしょう。目配り・気配り・誰に対してもフレンドリーな声かけ、1日接していてすごい人だと思いました。それから、目が見えない私のまわりでたくさんの若い人達の元気な声がとびかっていました。当事者もいたでしょうしボランティアの方もおられたんだと思いますが、若い人たちが津賀さんのまわりでこんなに気持ちよく協力してくれている様子に感激しました。嬉しいです。おかげで私たちは安心して楽しい1日を過ごさせていただきました。ボランティアのみなさん、ありがとうございました。すばらしい体験のおかげで私と妹も次の日まで気持ちが高揚気味でした。今回のことを二人の娘たちに話しましたら、来年は是非みんなで行こうと言ってくれましたので、また楽しみができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タンデム自転車NONちゃん倶楽部2018モンチッチ海岸