第6回 サイクルチャレンジ2019 in 競輪場(松山市委託事業)

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

令和元年6月9日(日) 愛媛県松山市市坪西町796-6 松山中央公園 瀬戸風バンク中央フィールド
主催:松山市
運営企画:特定非営利活動法人タンデム自転車NONちゃん倶楽部


ワンランク上の活動へとステップアップ「あきらめない天使に風を!!」夢叶う

 

今年の「サイクルチャレンジin競輪場」のイベント参加者の中からは、今年のテーマ「あきらめない天使に風を」にふさわしい、たくさんの可能性が生まれました。

 

競輪選手会長・宇根さん

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場梅雨入りが遅く、渇水の心配がささやかれていた6月9日(日)、「サイクルチャレンジin競輪場」を松山中央公園瀬戸風バンク(競輪場)中央フィールド(松山市市坪)で開催。2014年からスタートしたこのイベ ントも今回で6回目、2016年からは松山市の委託事業として取り組んでいます。 NONちゃん倶楽部の今年のテーマは「あきらめない天使に風を!!」。これは昨年末に私たちの活動をテレビで見た、重度障がいの子のお母さんの「この子たちにも可能性はありますか??」という言葉がきっかけです。 何とかできないものかと考えていた時、重度の障がい者用の特殊な車いすを作り「重度障がい児の自転車文化の可能性を引き出す」という夢を持つ梅澤さんと出会いました。3カ月かけて作ってくださった座面改造の知恵、これでどれほどの方に笑顔を贈れたでしょう。梅澤さんの夢もまた、今回の「サイクルチャレンジ 2019in競輪場」で叶えることができたのです。

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

 

 

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場参加者は毎年増え続け、今年は視覚28名・知的27名・身体28名・(合計83名)を含む200名の障がい者とその家族。158名のボランティア。総勢358名という一大イベントになりました。これほどまでにさまざまな障がい者や家族が集うイベントが、ほかにあるでしょうか。参加者のあまりの多さに多少の不安を感じましたが、私にとって「日本一」のボランティアのみなさんに支えていただけるという事で安心できました。後日、この日のビデオを観ながらみなさんの笑顔の素晴らしさにも大きな可能性と感動をいただきました。感謝です。

 

競輪場からのスタート

非日常的空間でもある競輪場で、実際に競輪選手が走るカント(バンクにつけられた傾斜)を、皆さんの力を借りて体感できた時の渡部颯人くん(肢体)の笑顔は忘れられません。その後で本番さながらに競輪選手が見せて下さるデモ走行、音と風圧で感じるスピード感は格別です。ガールズ競輪選手による練習風景には、参加者全員が目を丸くして見学しました。それに加えて、今年はNPOの交流会で出会った「LUSH(ラッシュ)」のメンバーお二人のご協力で、競技用自転車BMXに乗ったまま回転技やジャンプなどのダイナミックなパフォーマンスや、アクロバティックな技の披露をしていただき会場は大盛り上がりです。

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

みんなに支えられ傾斜を体感!

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

初登場BMX

 

室内ブースも充実

今年も神戸から「視覚障がいの方でも楽しめるマジック」を研究している松原俊之さんが駆けつけてくださり、トランプやフォーク・バルーンなどを使って会場をわかせてくれました。室内ブースではこの他、折り紙や知恵の輪木工コーナーなど盛りだくさんのブースが楽しめます。サウンドテーブルテニス(盲人卓球) があるかと思えば、競輪選手が練習で使う「固定ローラー」「パワーマックス」、ゲームコーナーには「ディスゲッター」や「輪投げ」など準備をして、スタッフは参加者が退屈しないようにと室内とバンクを交代しながらフル回転です。

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

木工コーナーで夢中!

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

屋内イベントにチャレンジ

 

夢叶った瞬間

いよいよ重度の障がいがある方が「高機能三輪自転車」に乗る瞬間がやってきました。お母さんもドキドキしながらタンデム自転車に乗って、横に並んでいざ出発できた〜〜緊張気味の顔から笑顔がこぼれ、手を振って喜びを表現してくれました。「高機能三輪自転車」は一台しかないため待ち時間の長いこと。「待った分だけ喜びは大きい」とお母さんの寛大なお言葉に感謝です。乗れない子が誰一人いなかったことに感動の涙ぼろぼろ!!

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場

ビーチスターも大人気

 

将来パラリンピックの選手かも

めざせ日本一

サイクルチャレンジ2019in松山競輪場初参加の二分脊椎症で下半身まひの橋本旬平くん (8才)には驚かされました。ハンドサイクルに乗って ナント!!バンクを22周も走り切りました。お母さんは いつになったら止めるのかと思ったほどだそうです。3歳から6歳まで福岡で車いすマラソンを習い、6歳で松山に来てからは車いすテニスを頑張っているとのこと。「えひめハンドサイクルクラブ」の皆さんも、頼もしい後継者が見つかったと言いながら、見守ってくださいました。

 

楽しさの中の落とし穴

残念なことに今回、下半身まひの方の足がペダルから外れ骨折する事故がありました。この方は痛点が弱いので骨折に気付かず、最後まで何回もタンデム自転車やハンドサイクルなどにチャレンジしてくださっていただけに、私もショックが大きかったです。 私自身「けが人が出た時がこの活動を止める時」と決めていたので覚悟を決めようとしましたが、けがをされたご本人か ら「どうしてもこの活動を絶やさないで欲しい」と説得され、思い留まりました。今回の事故の問題解決のために、競輪選手会から選手が使っている「トゥークリップペダル」(靴をペダルに固定させる器具)を3組もいただきましたので今後の活動に生かしたいと思います。

 

胃袋までも大満足

毎回、昼食をご準備くださるのは、薬膳料理の講師もされている松並さん。そのおいしさはもちろん、健康管理の上からも競輪選手に「日本一」と言わしめる松並さんの「絶品カレ ー」を今回も味わえたことに感謝ですすべてに日本一だと思える幸せをありがとうございます。

 

〜〜〜〜●参加者の声●〜〜〜〜

 

Coパイロット  角雅文さん 理恵さん 侑奈さん

 

こんにちは。先日はタンデム自転車のイベントに久枝さんに誘ってもらい、初めて参加させて頂きました。ありがとうございました。侑奈は中1で、自閉症スペクトラムと診断され ています。補助輪をつけた自転車に小さい頃は乗っていましたが、ここ数年乗っていなかったので、とても良い経験をさせてあげることができました。支援学校の友達がたくさん 来ていたので、それも嬉しかったようでした。イベント後は、まだ帰りたくなくて、泣いてしまうくらい楽しかったようで、私も嬉しくなりました。主人も私も、競輪選手の方と一緒に 乗ることができました。大人になると、してあげることはあっても、乗せてもらったり、してもらったりすることはあまりないので、久しぶりに子どものように楽しむことができました。 侑奈にももっと色んな経験をさせてあげたいと思います。また次回もぜひ参加させて頂きたいです。 津賀さんをはじめ、たくさんのボランティアさんのお陰でタンデム自転車に乗り、美味しいカレーを食べ、マジックを見せてもらい、楽しい一日を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

 

 

Coパイロット  十河美佳さん

 

一柳さんからイベントの連絡を受け、初参加させて頂いた十河です。今回は初めてで少し不安がありましたが、いざ始まってみるととても楽しく、あっという間の一日でした!息子は重度の障がいで首も座っていないので、まさか自転車に乗ることができるなんて!ととても感動しました。最後にはバイクまで乗せて頂き大満足です!津賀さん、梅澤さん、スタ ッフの方々、お疲れ様でした。皆さんのおかげで楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました!

 

パイロット  山中卓馬さん 愛媛県自転車新文化推進課

 

今回初めて参加させていただきました! 最初参加人数の多さに驚きしり込みもしましたが、始まってみるととても楽しかったです。 試乗会や、会場内でのテーブルテニスなど盛りだくさんでした。 試乗会ではハンドサイクルを体験する子と並走をしてあげてと軽く言われたのですが・・・  自転車もなかったのでRUNでついていくとスイスイ4周5周と進んでいきヘロヘロになってしまい、最後はみんなに笑われてしまいました。心地よい疲れ以上に、体験したお子さんのすごさに感動しました。 その後もタンデム自転車に乗るより、RUNをして伴走するのが多くて筋肉痛もありましたが、それ以上に楽しい一日でした。ありがとうございました。